KOUICHI FINE ARTSは、ART FAIR ASIA FUKUOKA 2024 に出展いたします。
井川 健の「波を渡る」は、ヤシの葉柄と硬質発泡ウレタンで造形され、漆により仕上げられた存在感ある新作です。漆でここまでの表現ができるのだということを、ぜひ会場でご覧くださいませ。昨年、大作を中心にご覧いただいた山江真友美は、クオリティはそのままに、気軽に壁にかけていただけるサイズの新作の小品をご紹介いたします。また、今年2月にKOUICHI FINE ARTSで個展を開催しました鳥井雅子は、その鮮やかで瑞々しい色使いの植物をモチーフにした印象的なアクリルペインティングを、今アートフェアで初めてご紹介いたします。チューリッヒ(スイス)出身ウイーン在住のAlexandra Feusiは、昨年9月から1年間京都に滞在して制作した作品を中心に展示いたします。また、流 政之は九州にちなんだブロンズの小品「サキモリ」(防人)や、警視庁のロビーに据えられている「大いなる明日」をモティーフにしたとても珍しい研ぎ出しブロンズも併せて展示します。そして、ジェンダーなど非公開で活動しているNENEのペインティング。そのミステリアスで印象的な作品は海外でも人気で、ボストン、パリでのグループ展に参加予定です。ぜひ、皆さまのお越しをお待ち申し上げております。

ART FAIR ASIA FUKUOKA 2024
開催日程:9/20(金) – 22(日)
開催時間:VIP View
                 9/19(木) 13:00 – 19:00
                 Public View
                 9/20(金) 11:00 – 19:00
                 9/21(土) 11:00 – 19:00
                 9/22(日) 11:00 – 18:00

会場:福岡国際センター
          福岡県福岡市博多区築港本町2-2

出展作家について

山江 真友美

山江真友美のペィンティングは、美しくも匂い立つような妖しげな花・鳥を思わせる生き物の柔らかそうな羽、トーンを落とした架空の綻びのイメージを借りながら、これまで一貫して女性を表現してきた心象的なペィンティングである。

鳥の羽と一体化しつつ、果てしなく妖艶に何処までも広がりを続ける花弁は、女性の肌や身体を見る者に連想させる。しかしその美しい花弁を覆うのは、グレーの綻びである。その綻びは、花や羽とは対照的に女性を美しくも朽ちている花として象徴されている。実際に、花弁や羽の部分は陶器のように磨き込まれて滑らかな反面、綻びの一部分はカンヴァス地が露わになっているのが見て取れる。
そして作品に描かれて認められるのは、あくまでも山江の象徴する女性の一部分でしかない。

一部分のペィンティングから、あらゆる方向に広がり続ける花弁、綻び、そしてやはり肌のような鳥の羽を想像しながら、カンヴァスを超えた広がりの先にようやく山江が本来描きたかった女性の姿を観ることができる。

観えているペインティングの先に、観えないが存在する女性。華やかでエロティックでありながら、色味を抑えた端正な品格、繊細で壊れそうな山江の作品は、辻仁成氏、戸川昌子氏のご本の表紙にも使用されている。それぞれの作品はそれぞれ別々の女性達である。また1人の女性は様々な美しさと綻びが、対照的にシーソーのようなバランスで保たれていることを示唆している。

井川 健

井川健は、現在は佐賀大学にて後進の指導にあたる傍ら、自身の制作を精力的に続けています。

支持体は、ウレタンや佐賀大学校内の椰子の木の葉などを使用するという、大らかで大胆な表現を見せています。
まずウレタンや葉に乾漆の技法を用いて造形し、幾度となく塗りと研ぎを繰り返し、呂色仕上げの凄みのある艶を表現しています。
それにより、驚くほどシャープなフォルムに漆の艶が生えて、このような見事な美しさとなっています。
凝視すると、漆が透き通って黒いガラスの様に見える事があります。

椰子の葉の形を生かした波型のフォルムもまたユニークで、海や波を連想させています。
京都リッツカールトンのエントランスに飾られています。

鳥井 雅子

鳥井雅子は、絵を描く際に心の中のかけがえのない特別な「庭」を散歩します。
彼女の作品制作は、日常生活から始まり、やがて非日常へとゆっくりと移行していきます。
意識の世界と現実、そして夢と無意識の領域の中間を表現しようとしています。
彼女は、人々の心の中に存在するこのような場所を信じ、架空のテーブルの上にその断片を置くのです。

鳥井は常に自分の中にあるかけがえのないものや場所を鮮やかに描き、「秘密の庭」として表現します。
この「秘密の庭」は、誰の心の中にも存在するかもしれません。

ALEXANDRA FEUSI

綿布に、色鉛筆やオイルパステルで描かれた自画像。描かれたフーシの眼差しは、こちらの心を読んだり、宙を舞ったりしています。 人生の愛、不安、戸惑い、孤独など、自画像を通して自身の日常を可視化すると共に、それを見る私達人間の感情をも可視化しています。それは、フーシの自画像であり、変わりゆく混沌とした世界で生きる我々人間の自画像でもあるのです。

 

流 政之

流政之は、1950年代の初期の作品から「ワレハダ」の技巧を用いてきた。
それは石を割った部分をそのままにしておく事で、作品は未完成であることを意味している。「つくらざることはときにつくることをしのぎ、つくらざるものはつくりたるものを生かす」この表現は流独自の美学であり、後にアメリカに大きな衝撃をあたえた。重量感のある石等を素材としていながら、意に反して浮いたように見せる形状など、軽やかに見せる工夫をしている作品が多い。世界中、日本中のあらゆる場所で、地元に寄り添ったユニークなネーミングが多く、流政之の彫刻は品格と共に広く親しまれている。

 

NENE

性別などの個人的な情報を公表せず、あくまで自身の中に存在する「NENE」という無垢な存在が描いているとしている異色のアーティスト。NENEさんは、人生経験を重ねた結果、感動が薄れてしまった現代社会において、自分自身の内に確立された幼い頃の無垢な自己との対話を通じて、驚きや感動など人間の純粋な感情の美しさをartworkを通して表現しています。その作品はシンプルな構図と鮮やかな配色で構成されており、特に油彩やアクリルなど様々な素材の緻密な選定により表現される色彩のバランスは世界中の方々を魅了する独特な魅力を持ち、その作風は常に新しく驚きを与えてくれます。