現代版画5人展 -その詩的なシルクスクリーン-

Overview

この度、コウイチ・ファインアーツでは、安東菜々・木村秀樹・田中孝・中路規夫・濱田弘明の5名による現代版画作家の展覧会を開催致します。
1960年代のアメリカのポップアートイメージに影響を受けた5人は、写真製版によるシルクスクリーンで作品を制作しています。
平面の紙に刷ることに拘らず、時には大小様々な布等に刷り、ある時にはそれらを何枚も繋ぎ合わせた大掛かりな作品を発表してきました。常に新たな版画の表現方法を模索し、尽きることのない可能性を追求し作品にして発表して参りました。
その後彼らが中心となり、1988年にマキシグラフィカを創設しました。
その活動には、それまでに見られなかった大きなサイズの版画作品を制作し、作家自身が展覧会を企画・運営するという趣旨がありました。結成以来、回を追うごとに新たなメンバーを迎えながら、2008年の”Final Destinations”展の活動停止までの20年間続けられました。

 5人に共通する写真製版によるシルクスクリーンとは、自らが撮影した写真を版に興しプリントする技法で、その全ての工程を作家自身で仕上げることが可能になります。ところが昨今のデジタル化により、世の中から製版フィルムが製造中止になってしまい、今まで通りに制作を進められなくなってしまいました。そのような環境変化のもと、5人は現在シルクスクリーン以外の技法を模索して活動を続けております。

 今回の展覧会では、それぞれの80・90そして2000年代の約30年の作品を通して、どのような変化が生じているかをご覧頂く内容です。
そしてこの展覧会の後、順次5人のその後の活動も紹介して行く予定にしております。どうぞキックオフとなります「現代版画5人展」をお楽しみ下さいませ。